本ニュースレターに掲載されたコンテンツには英語でのみ提供されているものが含まれる可能性があります。
皆さま
本日は国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し(WEO)」、「国際金融安定性報告書(GFSR)」、サウジアラビア、クロアチア、ブラジル、タイの総裁との対話、コロナ禍の歳出における透明性に焦点を当てた能力開発トーク、債務と復興についてのセミナーを重点的にご紹介します。それでは、下記をご確認ください。
春季会合と本ニュースレターの情報は、これまでのところ、いかがでしょうか?2分間のアンケートにご協力ください。
今日の予定(4月6日火曜日)
スピーカー:ファハド・ムバラク(サウジアラビア中央銀行総裁)//モデレーター:ジハド・アズール(IMF中東中央アジア局長)
スピーカー:ボリス・ブイチッチ(クロアチア国立銀行総裁)//モデレーター:アルフレッド・カマー(IMF欧州局長)
スピーカー:ロベルト・デ・オリベイラ・カンポス・ネト(ブラジル中央銀行総裁)//モデレーター:アレハンドロ・ウェルナー(IMF西半球局長)
スピーカー:ギータ・ゴピナート(IMFチーフエコノミスト兼調査局長)、ペチヤ・コエバ・ブルックス(IMF調査局副局長)、マルハール・ナバール(IMF調査局課長)//モデレーター:ラファエル・アンスパッチ(IMFシニアコミュニケーションオフィサー)
スピーカー:ローラ・ゴアズ(IMF財政局エコノミスト)、フアンパブロ・ゲレロ(財政透明性グローバル・イニシアティブネットワーク ディレクター)、ロクサーナ・メラニ・ロドリゲス(ホンジュラス財務・予算副大臣)、ヘラルド・ウーニャ(IMF財政局公共財政管理第2課シニアエコノミスト)//モデレーター:マルタン・コードロン(IMFコミュニケーションオフィサー)
スピーカー:トビアス・エイドリアン(IMF金融顧問兼金融資本市場局長)、ファビオ・ナタルッチ(IMF金融資本市場局副局長)、エバン・パパゲオルギオ(IMF金融資本市場局課長補佐)//モデレーター:ランダ・エルナガー(IMFシニアコミュニケーションオフィサー)
スピーカー:クリスタリナ・ゲオルギエバ(IMF専務理事)、モハメド・エラリアン(ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長)、ベラ・ソンウェ(国連事務次長)//モデレーター:マーティン・ウルフ(フィナンシャル・タイムズ紙チーフ・エコノミクス・コメンテーター)
スピーカー:クリスタリナ・ゲオルギエバ(IMF専務理事)、デイビッド・マルパス(世界銀行グループ総裁)、ジャネット・イエレン(米国財務長官)//モデレーター:ラリー・マドウォ(BBC北米特派員)
スピーカー: セタプット・スティワートナルプット(タイ銀行総裁)//モデレーター:ケネス・カン(IMFアジア太平洋局副局長)
広がる復興の差 回復を進める
「コロナ禍に入って1年が経つが、犠牲者数は増え、数百万人が失業したままで、世界は今なお苛烈な社会的、経済的ストレスに直面している。だが、パンデミックの今後の展開については不透明感が高い中にあっても、今般のコロナ禍と経済危機の出口が見えてきている」と、IMFチーフエコノミストのギータ・ゴピナート調査局長が「世界経済見通し(WEO)」公開にあわせて発表した新しいブログ記事に記しています。
ゴピナート調査局長は続けて「とはいえ、今後、気が滅入るような難題が待ち受けている。パンデミックは未だに克服されておらず、新型コロナウイルス感染者数は多くの国で加速度的に増加している。また、経済の回復についても各国間および各国内で危険なほどの差が開きつつある。ワクチン普及が遅かったり、政策支援がより限定的であったり、観光依存度が高かったりする国では復興が順調には進んでいないからだ」とブログで述べています。
成長率の数字を確認すると、IMFでは現在、今年1月の予測よりも力強い世界経済の回復が見られると予測しています。2020年には推計でマイナス3.3%という歴史的な縮小がありましたが、世界経済の成長率は2021年に6.0%(0.5%ポイントの上方修正)、2022年に4.4%(0.2%ポイントの上方修正)になると予測されています。
記者会見の模様はこちらからご確認ください。また、最新の「世界経済見通し」もご高覧いただけますと幸いです。
国際金融安定性リスク
続けて、本日午前10時30分にはIMFの「国際金融安定性報告書(GFSR)」の公開が予定されています。本報告書公開にあわせて、IMFのトビアス・エイドリアン金融顧問がブログも公表することになっています。また、記者会見をこちらからご確認ください。ブログと報告書によると、復興にばらつきがあり、そのペースの差が拡大することで金融安定性がリスクにさらされる可能性があります。
「新型コロナ危機の債務の罠を避ける」
本日のこのイベントでは、クリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が復興の差が拡大することを避けるために、債務の脆弱性に対処することがどのように重要か議論することになっています。モハメド・エラリアン(ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長)やベラ・ソンウェ(国連事務次長)といったパネリストがより優れた債務枠組みや透明性を通じて債務リスクを抑える方法について、また、国際協調がどのように役立つか議論する予定です。本セミナーは午後12時に始まります。こちらからご確認ください。
明日の予定(4月7日水曜日)
スピーカー:ヴィトール・ガスパール(IMF財政局長)、パオロ・マウロ(IMF財政局副局長)//モデレーター:厳婷(ティン・イェン)(IMFコミュニケーションオフィサー)
スピーカー:マーク・カーニー(国連気候行動・金融担当特使)、スリ・ムルヤニ・インドラワティ(インドネシア財務大臣)
スピーカー:シャーミニ・クーリー(IMF能力開発局長)、アントワネット・セイエ(IMF副専務理事)、ヴァレリー・セラ(IMF局長補・課長)、マクシム・イバニナ(IMFエコノミスト)、ナタリー・プカム(IMFエコノミスト)、ニコラ・スパタフォラ(IMFシニアエコノミスト)
スピーカー:クリスタリナ・ゲオルギエバ(IMF専務理事)//モデレーター:ジェリー・ライス(IMFコミュニケーション局長)
スピーカー:ハブタム・フージィ(IMFアフリカ局)、ラスマヌ・ウドラウゴ(IMFアフリカ局)、エルビン・プリフティ(IMF調査局)、クリスティアン・ボグマンス(IMF調査局)、ティム・ウィレムス(IMF戦略政策審査局)
スピーカー:クリスタリナ・ゲオルギエバ(IMF専務理事)、ジョン・ケリー(気候変動対策の大統領特使)//モデレーター:ベッキー・アンダーソン(CNNインターナショナル司会者)
昨日の振り返り
IMFのフィリップ・エングラー、ロベルト・ピアッツァ、ゲーレン・シャーが発表した新しいブログ記事は、最新の「世界経済見通し」分析章第4章に基づき、新興市場国への影響を考える上で、先進国・地域における金利上昇の背景にある理由が重要だと論じています。金利上昇の理由が、アメリカの雇用や新型コロナ予防接種についての良い知らせであったり、また、米国での物価上昇率の高まりであったりする場合であっても、新興市場国への影響は無害で済む可能性があります。しかし先進国の金利上昇が、中央銀行が金融引き締めに動くという見通しによって引き起こされている場合、新興市場国に悪影響を及ぼしかねません。
IMFのギヨーム・シャベール、ロバート・グレゴリー、ガエル・ピエールによるブログ記事(日本語訳近日公表予定)では、新しい政策ペーパーに基づき、低所得国におけるコロナ禍からの復興に向けた資金調達について議論しています。著者の試算によると、低所得国がパンデミック対応を拡充するためには2025年までに約2,000億ドルが必要となり、先進国との所得格差縮小を加速させるためにはさらに2,500億ドルが必要です。くわえて、ベースラインシナリオで特定されたリスクが顕在化した場合には、1,000億ドルが追加で必要となります。こうしたニーズを満たすには、協調的かつ多面的で強力な対応が求められることになります。
COVAXファシリティのオレリア・グエン局長とIMFのサビナ・バーティア秘書局副局長がワクチン調達・供給の課題、世界中で公正なワクチン普及を実現するために必要な国際協力について議論しました。本イベントではゲオルギエバIMF専務理事が「現時点ではワクチン政策が経済政策として最重要です。生産を加速し、公平な供給を実現するために、誰もが協力する必要があります」と語りました。このイベントの全体をこちらからご確認ください。
月曜日の「総裁との対話」では、ブルキナファソ経済・財政・開発大臣のラサネ・カボレ氏が「パンデミックの結果、公共サービスにおいてテレワークや、遠隔での税申告・決済が業務慣行の一部となった」と語りました。スペイン副首相兼経済・デジタル変革大臣のナディア・カルビーニョ氏は「男女平等が最重要課題であるべきで、公平さだけがその理由ではない。1人残さず誰もが才能を発揮することが可能になれば潜在成長のギャップを縮められるだろうからだ」と述べました。
月曜日にIMF理事会は適格国である低所得国28か国を対象として10月15日まで債務返済猶予を延長しました。債務返済猶予は、コロナ禍対策支援として、対象国が貴重な財的資源を必須の緊急医療や社会・経済支援に活用することを後押しします。この措置によって、最も貧しく脆弱な加盟国からIMFに返済される予定の各債務で適格条件を満たすものについて、大災害抑制・救済基金から無償資金援助が提供されるようになります。
先週の振り返り
フェデリコ・J・ディエス、ロマン・デュバル、ニコラ・ピエリ、キアラ・マッジが新しいブログを発表しました。IMF職員による新しい研究に基づき、本ブログの共著者は「今般のパンデミックで中小企業がとりわけ大きな打撃を受けている。ホテル、レストラン、エンターテインメントなど対人接触の多い部門の一部では中小企業が圧倒的に多いのがその一因だ」と述べています。また、「政策当局者は斬新な措置を迅速に講じて企業倒産の波を緩和しなくてはならない」とも提言しています。
クリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が外交問題評議会主催のイベントに登場し、ファリード・ザカリア氏の司会の下で世界経済の未来について議論し、春季会合の大枠を提示しました。講演全文をご高覧いただくか、60分間の議論の映像をご確認ください。
最新の「世界経済見通し」の分析章第2章に基づくブログをご確認ください。このブログでは、危機がもたらす経済的な後遺症をどのように時間をかけて癒すことができるかを論じています。同報告書の分析章第3章に基づくブログ記事は、政策を通じて、パンデミックが労働者に及ぼした深刻かつ偏りのある影響をいかに緩和しうるか検討しています。
また、「国際金融安定性報告書」分析章についてのブログ記事もご確認ください。分析章第2章に基づくブログ記事では、経済危機を受けた金融環境の緩和がレバレッジ(借り入れ能力)蓄積を加速させる傾向にあり、後日、問題を生じさせかねないと説明しています。一方、分析章第3章に基づくブログ記事では、パンデミック下での在宅勤務へのシフトが商業不動産市場の見通しを不透明にし、金融安定性を潜在的に脅かしかねないと述べています。
最後になりますが、今週は「財政モニター」の公表が予定されています。その前に、是非、最新の分析章に基づくブログ記事をご確認ください。同記事によるとコロナ禍前から存在した格差が保健危機の影響を深刻化させた要因と見られています。
先週1週間の総まとめはこちらからご確認ください。
簡単なアンケートのお願い
春季会合と本ニュースレターの情報は、これまでのところ、いかがでしょうか?ご意見・ご感想をお伺いできると嬉しく思います。簡単にお答えいただける短いアンケートをご用意しましたので、よろしければご入力ください。コメントを拝見し、今後の春季会合運営や情報発信の参考にさせていただきます。
敬具
IMF2021年春季会合チーム
|