2020年年次総会 10月14日ブリーフィング

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皆さま

国際通貨基金(IMF)の2020年年次総会が行われるにあたり、今日は最新のニュースレターをお届けします。本日の主な予定ですが、最新の「財政モニター」が公表されるほか、モロッコの新型コロナ対策の経験、発展途上国における債務と債務管理、パンデミック下におけるモバイルマネーにスポットライトをあてるイベントが行われます。また、午後にはクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事とメリンダ・ゲイツ氏の対談がライブ配信されることになっています。それでは、下記をご確認ください。

今日の予定(1014日水曜日)

午前7時(アメリカ東海岸時間):総裁との対話 「新型コロナ危機対応に関するモロッコの経験」 (英語)

「総裁との対話」シリーズの一環として、モロッコのモハメッド・ベンシャブーン経済・財政大臣がIMFのジハド・アズール中東中央アジア局長と討論を行います。

午前8時(アメリカ東海岸時間):財政モニター記者会見

2020年10月の「財政モニター」では、各国が今般の危機対応にあたった経験を分析して、人命を救い、景気後退の影響を軽減し、成長や雇用創出を復活させるためにパンデミックの諸段階で政府に何ができるのかを考察しています。

「経済が回復するにつれて、各国政府はこの機を逃さず危機以前の成長モデルと決別し、低炭素のデジタルエコノミーへの移行を加速させるべきだ。カーボンプライシングがこの移行の鍵となるだろう。人々がエネルギー消費を削減し、よりクリーンな代替エネルギーへと移行することを奨励するからだ。さらにカーボンプライシングは、その一部を最も弱い立場の人々への支援に使える税収も生み出す」と最新ブログ記事でIMFのヴィトール・ガスパール財政局長、パウロ・メダス、ジョン・ラリエ、エリフ・ツレは述べています。

IMF財政局のガスパール局長およびキャシー・パティロ局長補、パオロ・マウロ副局長がスピーカーを務めます。IMFコミュニケーション局のコミュニケーションオフィサーであるティン・イェンが司会です。

午前8時(アメリカ東海岸時間):債務と債務管理に関するIMFの能力開発(英語)

新型コロナウイルスのパンデミックが低所得国における債務水準の上昇に拍車をかけている中で、この会話では、債務脆弱性を管理し財政リスクを軽減する各国の能力を強化するために進められている取り組みに光を当てます。

IMF能力開発局のロジャー・ノードおよびオアナ・クロイトル、金融資本市場局のペーター・ブロイヤー、統計局のクレメント・チュティ、戦略政策審査局のマルコス・チャモン、財政局のアマンダ・サイヤがスピーカーを務めます。

午前9時(アメリカ東海岸時間):アナリティカル・コーナー 「新しい世界におけるテクノロジー」(英語)

セッション1サブサハラアフリカにおけるデジタル化と新型コロナ対策

セッション2盾となるIT技術 新型コロナパンデミック下での技術導入と経済の強靭性

セッション3モバイルマネーと新型コロナ 機会と課題

午前1015分(アメリカ東海岸時間):IMF専務理事記者会見(英語)

クリスタリナ・ゲオルギエバIMF専務理事が世界経済、また、機関としての優先事項について概観し、記者からの質問に答えます。IMFコミュニケーション局のジェリー・ライス局長が司会を務めます。

午後030分(アメリカ東海岸時間):メリンダ・ゲイツ氏とゲオルギエバIMF専務理事の対話(英語)

パンデミック克服には検査であれ、治療法やワクチンであれ、投資と国際協力が必要です。CNNインターナショナルの司会者ベッキー・アンダーソン氏が司会を務めるこの特別イベントには、クリスタリナ・ゲオルギエバIMF専務理事とメリンダ・ゲイツ氏が出演します。このテーマに関して事前に資料を確認されたいですか?こちらをクリックして、私たちがお勧めする資料(英語PDF)をご参照ください。

明日の予定(1015日木曜日)

午前530分(アメリカ東海岸時間)年次総会本会議演説

ガーナ銀行総裁のアーネスト・クワミナ・アディソン博士が議長を務めるこの年次総会本会議では、IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事と世界銀行グループのデイビッド・マルパス総裁が基調演説を行う予定です。

午前8時(アメリカ東海岸時間)能力開発トーク 「コーカサス、中央アジア、モンゴルのための新しいIMFセンター紹介」(英語)

新しい能力開発センターの開設にあたり、ウズベキスタン経済開発貧困削減省のイルホム・ノルクロフ氏を迎え、IMFからは中東中央アジア局のジハド・アズール局長とパダムジャ・カンデルワル、統計局のアルタク・ハルチュニャン、理事のパウル・インダービネンが参加してのディスカッションを行います。

午前1045分(アメリカ東海岸時間):国際通貨金融委員会(IMFC)記者会見(英語)

クリスタリナ・ゲオルギエバIMF専務理事と国際通貨金融委員会(IMFC)のレセチャ・クガニャゴ議長が参加し記者会見を行います。司会を務めるのは、IMFコミュニケーション局長のジェリー・ライスです。

午前11時(アメリカ東海岸時間)アナリティカル・コーナー 「より公平な復興」(英語)

セッション1新型コロナ危機における政府の企業支援 その利益、コストとリスク

セッション2中東・中央アジアにおける包摂的な成長のための社会支出

セッション3新型コロナ時代における「倒産カーブ平坦化」

セッション4調達と受益所有権の透明性 一般市民への情報公開に関するパンデミック下での新しい理解

午後0時(アメリカ東海岸時間):世界経済についてのCNBC討論(英語)

世界経済は戦後最大のショックを受けました。政府は人命を救い、生活を守るために異例の措置を対策として講じました。トンネルの出口はもう見えているでしょうか?CNBC司会者のジェフ・カットモアが司会を務める本テレビ討論会にはクリスタリナ・ゲオルギエバIMF専務理事、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行総裁、インドネシアのスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務大臣、Gaviワクチンアライアンス理事会議長でアフリカ連合新型コロナ対策担当特使のンゴジ・オコンジョ・イウェアラ氏が参加します。事前に関連資料を確認されたいですか?私たちがお勧めする資料の一覧(英語PDF)をご参照ください。

昨日の振り返り

IMFによる最新の「世界経済見通し(WEO)」は、2020年が深刻な景気後退になると引き続き予想しています。世界の成長はマイナス4.4%の予想で、6月のWEO改訂見通しからは0.8%ポイント上方修正されています。この修正の理由ですが、第2四半期の結果が予想を幾分上回ったこと、そして第3四半期には一部の新興市場国・発展途上国での下方修正によって相殺された部分があるものの、全体としてより強力な回復の兆候が見られたことに由来します。2021年の成長率は5.2%に回復する予想で、これは6月時点の予想よりも0.2%ポイント低いものです。

記者会見でIMFのギータ・ゴピナート調査局長は「医療的解決策がベースライン予想よりも迅速かつ広範囲に提供されれば、2025年末までの世界の累積所得は約9兆ドル増加し、あらゆる国で所得が増え、所得格差も縮小する可能性がある」と述べました。ゴピナート調査局長のブログ記事全文記者会見(英語)の模様を是非ご確認ください。

アンゴラ財務大臣のベラ・デーブス・デ・ソーサ氏とインドネシア銀行のペリー・ワルジヨ総裁を招いた「総裁との対話」シリーズも見逃せません。さらに、パンデミックからのアジアの教訓ドイツの短時間労働制度、「大封鎖」がもたらした世界経済への影響といったテーマでアナリティカル・コーナーが設けられました。この3点の映像(英語)も公開されています。

昨日はまた、最新版「国際金融安定性報告書」の公開が行われました。金融環境の大幅な改善によって経済への信用の流れが維持されている一方で、経済見通しをめぐる不確実性は依然として大きいと述べられています。例えば、(最近価格調整が見られるものの)株価が上昇している金融市場と、経済活動が低迷し見通しが不透明なこととの間には引き続き乖離が見られます。こうしたギャップは、景気が速やかに回復すれば徐々に解消する可能性があります。しかし、例えばウイルスの制御により多くの時間がかかりうるなどの理由で景気回復が遅れれば、投資家の楽観は後退するかもしれません。IMF金融顧問兼金融資本市場局長のトビアス・エイドリアンによるブログ記事をこちらからご確認ください。記者会見の模様もご覧いただけます。

昨日、ブルームバーグテレビジョン(ロンドン)の司会者フランシーヌ・ラクア氏の司会により、復興と強靭性に関して熱い議論が行われました。是非、お時間をつくってご確認ください。この議論に参加したクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は「医療制度の改善、景気刺激策の縮小を時期尚早に行わないこと、刺激策の歳出は経済変革のために使うことという優先事項3点に政府が注力する必要がある」と述べました。COP26担当英首相金融顧問兼国連気候行動・金融担当特使のマーク・カーニー氏も本イベントに参加し、「気候変動が民間部門、金融部門、実質経済の注目を集めている」と話しました。

ブラックロック社のローレンス・フィンク会長兼CEOは「社会のデジタル化が進むにつれて、炭化水素の必要性は減少する。また、世界のどの家庭もデジタルを活用できるようにすべきだ。そうすることで、生活の質が上がり、人生も良くなる」と発言しました。アンゴラのベラ・デーブス・デ・ソーサ財務大臣は自身の今後12か月の戦略について話し、「生き残れるようにするため、人命を救えるようにするために、医療制度が崩壊しないように、また債務が持続可能であるようにすべきだ」と言及しました。こうした話題について資料を確認されたいですか?こちらをクリックして、私たちがお勧めする資料の一覧(英語PDF)をご参照ください。また、イベント映像もご確認いただけます。

昨日以前の出来事

欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁とIMF欧州局長のアルフレッド・カマーがパンデミック後の状況について、欧州の政策担当者にとっての課題について対話を行いました。こちらからご確認ください。ラガルド総裁は「パンデミックに対処し、3種類の政策に重点を置くことで復興を支えるべきだ。そうした政策は、健全な規制環境、民間投資を奨励するかたちでの対象を絞った公共投資、教育・職業研修である」と述べました。また、市民が今後の変化を推進していくことになる点、また、政府が環境保護と気候変動を最優先事項として掲げることをユーロ圏人口の75%が期待している点にも言及しました。

また、「変化する社会」について短いアナリティカル・コーナーが3点設けられました。移民の経済的影響、欧州における自動化雇用、ラテンアメリカにおける感染拡大防止策を取り上げています。この模様も映像でご確認いただけます。

能力開発トークでは、サブサハラアフリカにおける新型コロナ融資支援の活用に関して、良い統治(グッド・ガバナンス)を推進し、汚職など腐敗のリスクを最小化できるよう支援する上でのIMFの役割について様々なパネリストが議論しました。また、ウルグアイのアズセナ・アルビレッチェ経済財務大臣が「総裁との対話」に登場し、IMFのアレハンドロ・ウェルナー西半球局長との対話を行いました。その模様は新しいビデオでご確認いただけます。

最後になりますが、一昨日のニュー・エコノミー・フォーラム「コロナ時代における学習」も是非ご確認ください。カーンアカデミーの創設者でCEOのサル・カーン氏を迎えて、サビナ・バーティアIMF秘書局副局長と対話を行いました。児童・生徒や教育制度にとっての課題、遠隔学習の価値と制約、社会に生じる長期的な影響について議論が行われました。

最後に

今週も終わりに近づいています。年次総会特別ニュースレターについての感想をお伺いできると幸いに存じます。本ニュースレターは皆さんの参考になっているでしょうか?どんな内容を増やす(減らす)のが良いでしょうか?皆さんからのご連絡を心待ちにしております。直接、Eメールでご連絡ください

今後の予定の参考になるように、年次総会の全スケジュールを掲載しています。是非、クリックしてご覧ください。

次回ニュースレターは10月15日(木)にお届けします。お楽しみに。

敬具

IMF2020年年次総会チーム

P.S.IMFの新型コロナウイルス対応について「よくある質問」の最新版をご確認いただけましたか?

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